3Dプリントサービスというものを皆様ご存知でしょうか
3DCGデータを立体造形するプリンターでデータを実物に起こすテクノロジーです。
先日それを使ってオリジナルフィギュアを製作、出品をいたしまして、今回はその紹介をします。
「DMM3Dプリントサービス」
フィギュア・のろいの人形もちこちゃん
http://make.dmm.com/
今回は最近できて新しいDMMが運営する3Dプリントサービスを利用しました。
CMでもやってるやつですね。
●出力に関して
前まで高額であまりなじみのなかった3Dプリントですが
こちらは今までより価格帯が比較的低く、安価で出力できます。
今回はサイズ14センチメートル、素材は最初から色が付いているカラー石膏で
発注しました。その完成品がこちらです
ちゃんとフィギュアになっています
14センチはかなりの存在感で机に置くと物として実感できます。
ちなみに出力費用は6500円でした。このサイズで6500円はやすいんですよ。
入稿についてですが、元々3Dプリントは初めてだったので専門知識が乏しく、
3Dプリントにはかなり綺麗なデータが必要なようで、今回下記のような壁に衝突しました
●3Dモデル最適化の際直面した問題
・複雑に重なっているポリゴンのエラーの回避
単純なめり込みなどは問題ないようですが、3つ4つ複雑に面が重なっているとあまりよくないようです。
あっちからきたエラーチェックバック↑
>今回アップロードいただいたモデルのエラー箇所です
>中に面が複数重なった箇所があり
>このため造形できないものです
・閉じられていないポリゴンの統合
ポリゴン穴、片面しかないポリゴンなどそれらは開いた形状とみなれさチェックバックでエラーとされます。全部バッチリ閉じた形状にしなければならないようです。
・出力したフィギュアを自立させるための土台
CG上では立って見えますが実際出力したフィギュアが自立できるかはわかりません。
重心のずれで倒れてしまわないようフィギュアは台座を作るべきのようです
・コスト削減のための中抜き処理
一度出力可能なデータまでできたのですが、コスト的に少し高額になってしまったため、
中を空洞にする中抜きをしてみてはどうかとあちらからアイデアを頂き、挑戦してみました。
こちらはかなり難しい作業でしたが出力費用は半分ほどになりました
・最終出力の際必要な厚み最低2mmの確保
丈夫さを確保するため石膏フルカラーの場合最終出力品には最低2mmの厚みが必要で
それは最終出力品のサイズによって変動し出力価格に直結する難しい規約でした。
今回のフィギュアのサイズも2mm以下ギリギリの部分もあります。
です。
上記のように3Dプリントに向けてのデータの最適化はかなり繊細で形状に比例して
どんどん困難になっていく印象を受けました。今回のキャラは形状は単純ですが
服に部品や小物が含まれ、それによってかなりわずらわしい調整が増えたと感じました。
服など着ていないシンプルなキャラなら最適化は容易だとおもわれます。
それでは順を辿って納品までの調整をご紹介いたします。
今回アプローチがトライ&エラーの連続でまとまりがないため伝わりにくい部分もあります。
ご了承ください。
最適化にはZbrushを用いました。
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●最適化の手順(Zbrush)
まず、こちらのキャラクターもち子ちゃんを初期段階の状態から3Dプリントに向けて最適化を行っていこうと思います。
もちこちゃんはもともと漫画用のキャラクターで、スカートの中や袖の奥はつくっておらず、最終的に2D処理で黒くつぶしてしまう想定なのですべて空洞になってしまっています。3Dプリントではこれがまずダメで、すべて穴のない閉じられたポリゴンでなくてはなりません。つまりこの裏面のない衣服は3Dプリンタからするとそもそも半分以上が穴ということです。
それに加えて複雑な重なりがあります。カバンの中は実際に空洞になっておりそれと衣服、肌が複雑に重なることによって中に密室の空洞ができてしまいます。これはエラーとして吐き出されてしまうためこれも修正します。
もちろん随所随所の修正でも可能なのですが、今回は修正点があまりにも多いため衣服小物込みですべてを一体化し、綺麗な1つのモデルにするほうが早いと判断し、そのアプローチで進行しました。あちらとのやり取りも単純なほどやりやすいので、、、
穴という穴を他のポリゴンなどを持ってきて埋める埋める
袖もコートの下もすべて埋めていきます。
ボタンやポケットなども接合部に隙間ができないよう詰めて詰めて
そしてカバンの紐の根元の部分に空洞ができてしまうと規定の厚み最低2mmという条件に触発してしまうためそこも1つの塊のようになるよう埋めていきます。もはや粘土の作業です。
そして最後にZbrushのDynameshと呼ばれる機能で色を保持したまま統合を行います。
すると
遠目のディティールは変わっていませんが部品は25個→1個になりました。
そして最後にポリゴンの流れをある程度綺麗にしたいので続けて
Zremesherでポリゴンをある程度綺麗にしたあと、元のモデルへproject all機能で
ディティールを転写し、Dynameshで出るごみを取り除きます。
これで重なりのまったくない綺麗に最適化されたモデルになりました!!!
それに自立のための台座を足して(ここはシンプルなので足にめり込ませます)
これでようやく出力可能になりました!!!
●書き出し、対応する形式
Zbrushの 3d print exporterで実寸を指定し、書き出します。
DMMではテクスチャカラー、頂点カラーどちらにも対応しており、
今回はZBrushから頂点カラーを保持したVRMLという形式で入稿します。
これでアップロードを行いDMMのデータチェックでOKが出れば出力可能となります。
しかしここでなぜか
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